夏色の風が吹く

知らなかった事実

とうとう2年3組の教室の前に来てしまった。意を決して教室に入った。
そこは地獄のような光景が広がってた。動物園並にうるさい男子達、私が苦手な女子グループが2つ、本当に最悪な1年が始まるとこの瞬間に理解した。
私は今すぐ教室から逃げ出したい、と心の底から思ったが、少しだけ心の救いがあったのだ。私の仲が良い友達、月野瑠輝(つきの るき)が同じクラスにいるのが視界に入った。

「瑠輝〜!同じクラスだったんだ!」

「夏海!!よかった〜仲良い子いないと思ってた…」

「今年はここのクラスが1番うるさいクラスになりそうだね…」

「そーだね…まあ一緒に頑張って1年間乗り切ろう!」

瑠輝がいて少しだけ安心した私。ホッと胸を撫で下ろし、自分の席に着いた。

2年3組初めてのSTが行われ、その間私は風瀬のことを考えていた。

(風瀬の好きな人は誰なんだろうか?…クラス離れたとか言ったのは嘘でほんとは1組の中に好きな人がいるのでは無いか)

色々な考えが浮かんでいるうちにSTは終わり、休み時間になっていたのだ。
< 6 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop