空の色

昔の記憶

私は夢を見ていた。

大きな家で、暖炉があってお兄ちゃん、お母さんお父さんがいて。

みんなで笑っていた。

そう。幼少時期は、父の仕事の関係でアメリカと日本を行き来していた。

小さい頃から心臓病だった私は、日本に帰った時に大きな発作を起こしてしまった。
日本で長期入院することになり、祖父と祖母の家がある日本に私だけ残った。
その後祖父と祖母の家で過ごしたよりも、病院入院していたほうが長く、そして、私が中学生の時に祖父と祖母が亡くなった。

中学まで日本で過ごした私は、今更アメリカに帰ることも嫌で、お父さんと交渉の末、瀬野先生の家に泊めてもらったりもした。

ハッと目が覚めると朝になっていた。

なみ「なんか懐かしい夢見たな...」

目をこすりながらリビングに行くと、お兄ちゃんと、瀬野先生が朝ごはんを食べていた。

瀬野先生「おはよ。よく寝れた?」

怜「おはよー、顔色は悪くないな...」

なみ「おはよ。お兄ちゃん、起きた瞬間から診察するのやめて。」

朝食を食べると、瀬野先生は病院に向かった。

私のとお兄ちゃんは2人きりになった。

怜「なみ?体だるくない??」

なみ「え?平気だよ、、、?」

怜「本当に...?」

なみ「う、、、うん。」
少し怠かったが、嘘をついてしまった。

怜「じゃぁ胸の音聴かせて?」

なみ「やだ。」

怜「なんか隠してるから、嫌なんだろ!はい、もうベッド行って自分で行けないならお兄ちゃんが連れて行くからいいよー。」

といい、私を抱っこしようとしてきたから、私は拒んだ。

なみ「わかったよ。ベッド行けばいいんでしょ!」トボトボベッドへ向かった。

怜「少し寝ておきな。起きてると疲れちゃうから。聴診するね。」

なみ「やだ。平気だよ。ゴホッ、ゴホッ、、」

怜「ほらー、本当、少しだけ。」
勝手に服を捲って聴診し始めた。

怜「うーん。少しだけ喘鳴聴こえるな、、、」

なみ「グスッ、、、なんで、私はこんなの?もうヤダ。あっち行って!!」

怜「落ち着いて、大丈夫だからな、喘鳴も少しだけだ。吸入しておけば大丈夫!!」

吸入してお兄ちゃんがトントンしていたら私は寝てしまった。





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