蒼春
2日後、部活の練習のために学校へ行った。

体育館に着くと、いつもと同じようにボールの音が聞こえる。

『先輩、今日もお疲れ様です。』

「あぁ、乃蒼ちゃん。おはよ。」

花火大会のおかげか、いつもと先輩の様子が違うように感じる。

「…乃蒼ちゃん、ちょっといい?」

練習を止めてこちらに向かってくる。

『どうしました?』

「話したいことがあるんだ。」

先輩と一緒に体育館の外に出た。

「乃蒼ちゃん。」

『は、はい。』

「好きだよ。」

『えっ?』

「乃蒼ちゃんのこと、好きになったみたい。めっちゃ惹かれてる。」

『先輩…』

「急でごめんね?でも伝えたかったんだ。」

『…』

「じゃあ、これで…」

そう言って練習をするために体育館へ戻ろうとするので、先輩のTシャツの袖を掴む。

『あの、私も言いたいことがあるんですけど…』

振り返って「なに?」と優しく尋ねる先輩。

『私も…す、好きです。結構前からずっと。』

ついに言ってしまった…。

恥ずかしくなってつい顔を手で隠す。

「乃蒼ちゃん…」

すると、先輩に優しく抱きしめられた。

『っ先輩!?』

「しばらくこのままでもいい?」

『…はい//』

私たちは付き合うことになった。

高校生活初めての夏、私は少女マンガのような甘酸っぱい恋をしました。
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