蒼春
次の日、学校に行くと楓と雪ちゃんが抱きついてきた。

『乃蒼、大丈夫?』

『心配したんだから…。』

久しぶりの2人に安心して泣きそうになる。

『2人ともごめんね…。迷惑かけて、』

迷惑なんかじゃないよ!と言って抱きしめる力を強くされる。

その時だった。

『鈴木さんいますか?』

声のする方を向くと、前とはどこか変わった様子の例の先輩が立っていた。

『…どうしましたか?』

次は何をされるんだろうと思っていると

『あの、今までごめんなさい。』

謝ってきた。

『あ、あの頭上げてください!』

『え?』

『簡単に許せるわけじゃないけど、もう二度とこんなことしないでください。私に対してだけじゃないです。他の人にもです。』

同じ思いをする人が減ってくれれば、それでいい。

『約束してください。もう誰も傷つけないって。』

『…はい。』

あの後、例の先輩は転校したらしい。

一ノ瀬先輩に厳しいことを言われたのが、かなりショックだったそうだ。

『一ノ瀬先輩、助けてくれてありがとうございます。』

「お、いつもの乃蒼ちゃんだ。」

『そうですよ、早く一緒に帰りましょう。』

「はいはい。」

また大好きな先輩と一緒に帰れる日常が戻ってきた。

何もないのが1番幸せだなぁ。


そして、高校生活は早くすぎていった。
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