蒼春
最終章

ninth

今日は蓮と徳島先輩、一ノ瀬先輩の卒業式だ。

この前まで1年生だった私や楓、雪ちゃんもやっと2年生になったと思ったら、もうすぐ3年生になる。

まず、蓮と徳島先輩のところに行く。

「おぉ、乃蒼ー!」

『あ、乃蒼ちゃん!』

相変わらず私の事を見つけるのが早い蓮は関西の方の大学へ、マネージャーとしても2年間お世話になった徳島先輩は北海道の大学に行くらしい。

離れ離れになってしまうけれど、この2人ならきっと大丈夫だろう。

『卒業おめでとうございます!また遊びに来てください、待ってます。』

「『もちろん!』」

ここでも息ぴったりだ。お互いの顔を見合わせて笑い合う姿に、幸せそうだなぁと感じる。

「乃蒼ちゃん!」

聞き馴染みのある声に振り向く。

そこには花束を持って走ってくる一ノ瀬先輩の姿があった。

『先輩、卒業おめでとうございます!』

「ありがとう、乃蒼ちゃん。」

そう言って抱きしめてくる。

『せ、先輩!?』

「これから会えなくなるの、寂しい。」

『…私もですよ。』

一ノ瀬先輩は東京の大学に進学することになったので、今までのように会えなくなるのは必然だった。

『先輩、また会いにきてください。』

「もちろんだよ。次は俺が乃蒼ちゃんのこと迎えに行くから。」

こうして先輩たち3人は、それぞれ新しい場所へ羽ばたいていった。
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