蒼春
『そうだったんだ…。』

『うん。でもね、今日の鈴木さんの働きぶりには敵わなかったよ。』

高宮さんが微笑んでくる。さっきとは違ってなんだかスッキリした顔をしている。

『いやいや、そんな…。』

私は褒められて照れてしまう。なんだか嬉しいな。

『今日はありがとう。マネージャー体験できてよかった。先輩には辞退するって言っとくね。じゃあマネージャーがんばってね!』

そう言って高宮さんは帰っていった。


『お疲れ様、今日も任せっきりになっちゃってごめんね』

そう言いながら徳島先輩が近づいてくる。

『先輩もお疲れ様です。こっちは大丈夫でしたよ。』

『あの体験の子、動き悪くはなかったけど、やっぱり鈴木さんには負けるわね。』

突然褒められたので、思わず目を見張る。

『な、なんで知ってるんですか?あ、まさかずっと見てました?』

『あははは、いや、1回様子を見に来ただけだよ。そしたらなんだか仲良くやってたからさ、よかったなぁって思って。』

わ、見られてたのか…。恥ずかしいなぁ。

『さて、あの子がマネージャー辞退したということで、正式にマネージャーだね!後でみんなの前で自己紹介してもらうからよろしくね。』

『は、はい!よろしくお願いします。』

掃除が終わった後に、みんなの前で自己紹介をすると温かい拍手で迎えてもらえた。


ここからマネージャーとしての新しい生活が始まった。

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