ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 高校三年の夏。
 特にやりたい事もなかった俺は就職組だったので夏休みは毎日アルバイトに励み独立資金を貯めていた。

「こんにちはー!」

 明るく大きな声で店内に入ってきた女性に俺は目を奪われた。
 外は燃えるように暑い炎天下。頬を真っ赤に染め上げ額に薄らと汗をかいている女性。
 艶やかで綺麗な真っ黒の長い髪の毛を一つに縛っていたのでつい頸が綺麗でみ惚れてしまった。

「あの〜アルバイトの方ですか? 店長さんはいらっしゃいますか?」

 そう話しかけられ俺の心臓がドキドキといつもより大きく動き出した。

(な、なんだこれ……)

「あ、店長は今留守で、あと一時間程したら戻ると思います」

 心臓の動きは早くなる一方で、段々と身体の体温も上昇しているのか熱くなってきた。

(熱でも出たかな……)

「そうですか、じゃあ少し店内を見ながら待たせてもらっても宜しいですか?」

 彼女はこの狭い文房具屋の店内を隅々まで見渡していた。(狭いって言って店長すいません)

 この空間に俺と彼女の二人きりだと思うと息をするのも苦しいくらいだった。
 真剣な表情でうちの店に置いてある文房具屋を見ながらなにかブツブツと呟いている彼女。
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