ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 ハハハと笑いながらなかなか腕を離してくれない彼の顔をキッと睨みつけ「離しなさい」と強く言い放った。

「その目……グッときます……」

 そうボソッと呟いた瞬間私の唇は彼の唇に奪われていた。

「っつ……んん!!」

 何とか引き剥がそうともがくがやはり相手は男。
 全く動じず私の唇を奪い続ける。
久しぶりの柔らかい感触に戸惑いを隠せない。
 キスなんて何年ぶりだろう……キスの仕方さえ忘れていた。

「俺本気ですから、これからガンガン攻めていきますよ」

 ジッと獲物を捕まえるような鋭い目つきで私の事を見つめる。
 こういう男を肉食系男子って言うのだろうか。
いや、それとも獣系男子か?

「な、何言ってるの! 仕事に戻るわよ」

 平常心を無理矢理取り戻し部屋のドアを開ける。
 その後ろを何もなかったかのように後ろに着いて出てくる松田、手を出してないとか言ってるけど彼は喫茶店で女性から水をかけられるくらいだ、きっと遊び人なんだろう……間に受けない方がいい。じゃなきゃあんなに腰が砕けそうになるキスをするはずない……
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