強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている

 木下ちゃんは同じ部署の後輩で席も隣。色々雑務も手伝ってくれている。このまま気まずいままでは今後二人とも仕事をしづらい。

「不快な思いをさせてしまったらごめんなさい。もしかして、私とこうして食事するの嫌だったかな……?」

 彼女を刺激しないように当たり障りのないように言葉を選んだ。

「そんなことないです、誘ってもらえて嬉しいです。私は小鳥遊先輩が大好きです。仕事もできてすごく尊敬しています。今回のは全部私がいけないんです……勝手に嫉妬して先輩に文句を言って困らせてる最低な奴です」
「え、いやいや、そんなことは……」
「ごめんなさい」

 木下ちゃんは膝に手を突き深々と頭を下げた。

「え、ちょっ、ちょっとやめてって、頭を上げて、むしろ私こそごめん」

 アイスレモンティーをコースターに置き、私も頭を下げた。

「なんで先輩が謝るんですか」
「知らなかったとは言え、無神経に食事誘ってごめん!」
「いや、だからそれは先輩は関係なくて」
「木下ちゃんの気持ち気付いてたらさっきの羽鳥さんとのやり取りももっと上手いあしらい方だってあっただろうし、企画も変わってあげられてた」
「いえ、企画は仕事ですから。それに榊部長からの指示でもありますし。今、物凄く忙しくてみんな手が空いてないのもわかってますから」

 木下ちゃんはおっとりしていてマイペースだけどきちんと私事と仕事を分別できていて偉い。私だったら何とかしてでもその人に自分の存在を気付いてもらいたくてアピールしてしまうだろうし、側に居たくて上長に頼み込んで企画に入れてもらおうとするだろう。
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