弓木くんはどうやらわたしが好きらしい


ごしごし涙を拭う千隼くんを軽くにらむ。



「あんまりこすらないで! 土偶になるから……それか埴輪か……」

「土偶でも埴輪でも、どーせかわいいじゃん」

「嘘だあ」

「っ、ふは、なにその顔」




からかうように笑うから、逃げるように顔をそむける。


千隼くんがすかさず追いかけてくるけれど、ふい、ふい、と逃げ続けていると、焦れたように千隼くんの手のひらが顎を掴んで、振り向かせた。



「いい加減、こっち向けよ。このか」




目が合って、そのまますくうように唇が重なって。

今度はどんどん深くなっていく。




「ん、ん……っ、ぁ」

「このか、あーんして」

「や、ぁ……っ」




とろりと絡まる舌が理性を奪っていく。

だめだ、千隼くんしか見えないや。



考えることを放棄した瞬間、千隼くんの手がするするとメイド服の裾からすべりこんできて、太ももをなでた。



ぞわっとした甘い感触が駆け上がって、「んんっ」とつい甘い声を上げてしまう。



だけど、それでも甘んじてすべて受け入れていると、千隼くんは困ったように眉を寄せた。




「なあ、このかがちゃんと嫌がってくんないと、俺止まんなくなる」





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