俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
クリスマスマーケットで一目ぼれしたキャンドルやオーナメントを購入した私は、待たせていた社長と再び宿泊先に向かって歩き出した。
「すみません、お時間をとらせてしまって!」
(自由に見に行っていいとはいえ、かなり待たせてしまった……)
恥ずかしく思いながら彼の横顔を覗くと、クスッと笑われた。
「久しぶりに楽しそうな顔を見て安心した。ここ最近、飯食ってる時以外疲れた顔してたからな」
「社長……」
(社長、私のこと気遣ってくれてたの?)
ふいに向けられた優しい言葉に鼓動を速くしていると、彼は思い出したように口を開く。
「忙しくてちゃんと話していなかったが、お前が結城家具だから辞めるとかは考えるなよ。
そんなの、俺は入社試験の時から知ってることなんだから」
「えっ⁉」
突然告げられた衝撃的な事実に、私は人目もはばからず大きな声を上げた。
「ど、どうして。私、入社試験の時そんなこと一言も……」