これを愛というなら～SS集～

あいつらは親父と兄貴に仕事も奪われ、

二度と俺達に近付くな、と。

近付いたら命はない、と。

生涯、裏社会の人間として監視下に置かれてーー駒のように働かされる。

裏社会の人間として自分から生きる事を望まない、生まれながらの宿命ではない限り酷な話だよ。

縦社会の中で、いつ命を落とすかもわからない現代の日本で、その恐怖に怯えながら生きて行かなければならないんだから。


俺と桃子は平穏な日々を取り戻してーー
たまに喧嘩して。

もう知らない！勝手にして！

拗ねる桃子を宥めて、折れるのは大概は俺からだけど……

桃子が可愛いから構わないんだよね。


実家暮らしの桃子の両親にも、あの一件で挨拶に行ってーーー今の段階では付き合いは認めてもらった。

だから、半同棲状態だけど……結婚ってなると前途多難な気がする。

一応は、裏社会に嫁ぐことになるんだから。

親父や兄貴たちが守ってくれるだろうけど……何が起こるかはわからない。

そんなこともさ、ゆっくりでいい。

時間が掛かっても、桃子の両親には認めてもらって……一生を共にする誓いが出来たら、それで。



早織さんに料理を個人的に習って、いつの間にか…ー料理の腕を上げた桃子のご飯を食べて、、、

はしゃぎながら戯れて身体を重ねる幸福感。


桃子の笑顔を守るのは俺の役目。

俺の一生を賭けて、桃子だけを愛していくよ。

離さないからね。