求められて、満たされた

「週3日くらいでお願いしたいです。時間は特に希望はないので任せます。」

「そっかそっか。じゃあ、さっきここに居たユウと相談して決めて。ユウは君と同じフロント担当だから。分からない事とかも基本ユウに聞いて。俺も手が空いてたら答えれるけど、調理は俺だけだから忙しい時は答えてあげれないかもしれないから。」
「分かりました。」

あの人と同じフロントか。

ああいう馴れ馴れしい感じのタイプは正直苦手だ。

だけど、仕事だし仕方ないか。

悪い人では無さそうだしまだマシだ。

そう思うようにした。

「いつからシフトは入れそう?」

「いつでも大丈夫ですよ。」

「あ、じゃあもしかして今日から入れたりする?明日金曜だから店忙しいんだよね。今日は割と暇だと思うから仕事覚えるなら今日がいいと思うんだ。いきなり忙しいのも大変だと思うし。急だから時間厳しいようだったら全然断ってくれていいから。」

「大丈夫です。今日からシフトは入れます。」

どうせ家に帰っても何もしたいことやしなきゃいけないことが無かったからシフト入ることにした。

承諾すると店長はまた笑ってくれた。

「今16時ちょっと前か。オープンまで1時間くらいあるなあ。とりあえず今ユウに連絡入れたからもうすぐ戻ってくると思うしゆっくり座って待ちながらユウに軽く仕事内容聞いてオープンまで待ってて。俺はちょっと2階で休んでくるから。」

え。

待って。

それっていきなりさっきの人と2人きりになれってこと?

1時間も初対面の、しかも同年代の異性と2人きりはキツいって。

店長は店を出た。

店の横に階段があったので恐らくそこから2階に上がるのだろう。

ユウと呼ばれたさっきの人はすぐに店に戻ってきた。

「ただいま。やっほー、奈生ちゃんさっきぶり。」
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