求められて、満たされた
「そろそろ終わる時間かなって思って近くで待ってたから。」
「そっか。流石俊介。」
「お褒めの言葉ありがとうございます。」
俊介がわざとらしく頭を下げる。
私がシートベルトをつけたのを見計らって車を走らせた。
俊介がくれたコーヒーを口に含む。
コーヒーを飲みながら車の窓から外の景色を眺める。
やっぱりこの季節はどこもクリスマスモードになっていて、綺麗に彩られていた。
キラキラしていて綺麗だ。
「そう言えば奈生、イブの日空いてる?」
「うーん、バイトもないし空いてるよ。」
「じゃあ、デートしよっか。」
「うん、いいよ。」
「プレゼント、期待してろよ?」
「分かった。期待しとく。」
俊介との時間はやっぱり落ち着く。
不満なんかどこにもない。
やっぱり私はこの人を好きになるしか無かったんだと思えるくらいに居心地がよかった。
穏やかな日々だった。
遥香とも仲直りが出来て、人間関係も驚くほど順調だった。
自分のせいで壊してしまった人間関係を修復出来て物凄く安心した。