占いお宿II 新たな契りを結ぶ時
「……きっと、あなたのその思いは、通じていると思いますよ」

ハッとしたアルフレッドは、真意を伺うように私を見つめた。

「誰にだって、過ちを犯すことはあります。あなたは、ローズベリー家のためにでき得る全てのことに手を尽くした。それなら、きっと許してもらえますよ。もし私だったら、〝もういいよ〟って言ってます」

一瞬戸惑った顔をしたアルフレッドは、次第に私の言葉を理解して僅かに表情を緩めた。

「ありがとう、ライラ。そう言ってもらえて、気持ちが軽くなった」

「大袈裟よ。でも……話してくれて、ありがとう」

彼の話を聞いて、心の底からあんとしている自分がいる。もうこれで、セシリアとして悔いることはない。

「ライラ。君はセシリアに似ているな。いつでも、グリージアに遊びに来てくれてかまわない。似ているからといって、悪意を向けられることはない。いや、逆に私が責め立てられるだろうが……それも仕方がない。全ては自分のせいだ。甘んじて受けよう」

「ふふふ。じゃあ、あなたのことを虐めたくなったら、堂々と遊びに行ってみようかしら?」

「ああ。そうするといい」

アルフレッドとの関係は、この先どうなっていくのかわからない。けれど、こうして話してくれたことで、これまてより距離は確実に近付いたと思う。










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