コインの約束

私の決心の告白をした日から、その日がいつ来るだろう、とずっと考えていて。

やっぱり初めての日はクリスマスかな?とか、勝手に想像するんだけど。

あと一か月、和真は待っていてくれるかな。

私はクリスマスに向けて、短期のアルバイトをしようと思ったの。


「和真、少しの間一緒に帰れないの。バスケも観に行けないんだ」

「どうして?何かあったの?」

「あのね、一か月だけアルバイトしようと思ってて」

「なんで?急にアルバイトだなんて」

「クリスマスに、一緒にね。過ごしたいから・・・」

「だからって、アルバイトが必要なの?俺は毎日一緒に居たいよ」

「うん、私も毎日一緒がいいよ。でもクリスマスは朝まで、一緒がいいの。」

「あー、もう芽衣!そんなことさ、芽衣が心配する必要ないんだって」

「でも、お金かかるしさ」

「本気で芽衣がクリスマスを一緒に過ごしてくれるって言うならさ、俺に任せてくれないか?」

わぁ、和真からデートを計画してくれるって、珍しい。

「じゃあ、私は何をすればいいの?アルバイトはしない方がいい?」

「アルバイトってさ、何をしようとしてたの?」

「これから探すつもりだったの」

「そっか。何かやりたいことがあるならいいんだけどさ。本当にクリスマスだけのためにするアルバイトなら、そっちより俺と毎日一緒にいる方を選んで欲しい、かな」

「和真に甘えちゃっても、いいの?」

「こんなの甘えるうちに入らないでしょ。俺が一緒にいて欲しいってお願いしてるんだから」

「うん。ありがとう。和真って、本当に優しいね」

「当たり前だよ。芽衣限定だからな」


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