コインの約束
◎ 約束のクリスマス

冬休みになり、街はクリスマス一色。

駅前の大きなクリスマスツリーは恋人たちを優しく見守ってくれている。


クリスマスイブ


私はまだ電飾の点灯していない、この大きなクリスマスツリーの前で和真と待ち合わせ。

少し大きめのカバンには、和真へのクリスマスプレゼントとお泊り用の服。

お昼12時に待ち合わせだと言うのに、相変わらず私は15分前に到着していて。

和真が来るのを待っているこの時間のドキドキも楽しんでいるの。

二週間前に和真からの鬼の提案があり、それをクリアできたから、今日を無事に迎えることができた。

「冬の定期考査で赤点が1つも無かったら、クリスマスは一泊で那須に行くよ。ただし、赤点があったらクリスマスデートも無しだから。芽衣は頑張って」

和真はニヤッと笑いながら、そんな事を言う。

そんなの、一生懸命勉強するに決まってる。頑張ったよ、私。

赤点どころか、全教科で学年平均点を上回ったんだから!

順位だって240人中88番。私にしては上出来でしょ。
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