コインの約束
そんな会話を和真のクラスで話していると、少し離れた席から高柳さんが聞こえるような声で
「あぁ、鬱陶しい。毎時間別クラスの人に来られたらこのクラスの雰囲気が悪くなる。それに、医者の息子っていうブランドがあった人も、ケガして歩けなくなったんじゃ、まったく魅力無いわね」
私はもう我慢の限界だった。
それは湊も一緒で。
私と湊は声を揃えて
『ちょっと待てよ!バカ女』
『ちょっと待ちなさいよ!性格ブス』
私と湊は高柳さんに詰め寄り、
『結城はヒーローだろ。とことん可哀想な女だな。どこかへ失せろ』
『和真の魅力が分からないなんて、可哀想ね。どこかへ消えて』
そんな私と湊を見て、和真が目を細めて言った。
「お前たち、本当に似てるな」