コインの約束
◎ コインの約束
部活を引退した数週間後、和真との約束通り京都へ旅行に来た。
場所は清水寺。ここから旅行は再スタート。
あの坂道を上り、坂道の途中にあるお土産物屋さんに立ち寄る。
『記念コイン』の看板を掲げているあのお店。
私たちは去年秋に記念コインの忘れ物が無かったか、ダメもとでお店の人に聞いた。
「あら、あるわよ、2枚。ちょっと待っててね」
私と和真は顔を見合わせて、本当に私たちのかな?って半信半疑で。
「あったあった、これね。名前がメイさんと和真さん。これで合ってるかしら?」
「わぁ、取っておいてくれたんですね。どうもありがとうございます」
私たちは自分の刻印したコインを受け取り、約一年越しに交換っこした。
『 To 和真 あいしてる From メイ 』
『 To 芽衣 一生涯愛す From 和真 』
「芽衣の刻印、まさかの全部ひらがな?これをあんな長い時間考えてたのかよ」
「いいでしょ。この言葉を一番、和真に伝えたかったんだもん」
「俺のは、出会いがあれば必ず別れがある。それは死ぬ時でいい。そんな意味を込めたんだ」
「和真、あの時、私を見つけてくれてありがとう」
---end---