コインの約束

5月に入り、バスケットボールの大会が始まった。

和真はフル出場はできないものの、それでも交代でコートに入った時は活躍をした。

私はすべての試合を観に行き、和真を応援した。

去年の夏休み、和真のバスケを初めて見た時に目を奪われた和真の動き。

とても綺麗だったのを覚えている。

もう和真のバスケをしている姿が観られなくなるのかと思うと、なんだか切ない。


もっともっと、高校生でいたいって思った。


そして大会は順調に勝ち進み、今日は湊も一緒に応援に来ていた。

私と湊は和真が出場すると、声の限り声援を送る。


「結城の怪我、大丈夫そうだな。あんなに動けているんだから、もう心配はないんだろ?」

「うん。もう以前の和真に戻ったよ。湊、色々とありがとう」

「おう!俺は芽衣と大親友。結城とは同盟を組んでいるからな」

「なによ、同盟って」

「その名も”芽衣同盟”だ」

「もう、ばっかじゃないの。同盟を組まれても困るんですけど」

「ははっ、いいんだよ。それで」



和真たちは準決勝で敗退し、部活を引退することになった。



私と和真が出会った夏はすぐそこまで来ていた。



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