丸重城の人々~後編~
後ろを見ると、将大より少し年上位の男性が柚希を見てニヤニヤしていた。
柚希「嘘……」
大翔「柚?どうした?」
柚希「………大翔、上がらない?」
大翔「いいよ。でも、どうした?」
響子達を見ると、みんなで楽しく遊んでいる。
ということは、柚希にだけ触っているようだ。
響子達を触るようなことになれば、また大騒ぎになるだろう。
先程の“響鬼”を思い出す。
響子は柚希の前で、怒ることはあってもキレたことはない。
柚希が怖がるから、響子が気をつけているのだ。
それはここにいる大翔達もそうだ。

毒蜘蛛とシスルと言えば、当時最強で今でもその強さや伝説は語り継がれているくらいだ。
でもみんな、けっして柚希の前では本気を見せない。

しかし痴漢となれば、みんな黙っていないだろう。

とにかく大事になる前にと、柚希はみんなに声をかけた。
柚希「みんなーー!上がろう!
何か食べたいのーー!」

響子「えー、もう少し遊ぼうよ!」
英里「柚希達、先に上がってて!」
篤子「私達、もう少し泳ぐから!」
文乃「私も~!」
恵麻「私等のことは、気にせず!」
将大「俺がいるから、大丈夫だよ!」

柚希「やだ!!みんな、一緒がいい!!」
響子達「え……?」
大翔「柚?どうした?」
柚希「いいから!!みんな一緒!!」

柚希の言葉に首を傾げながら、みんな上がった。

柚希「みんな、先に行ってて!すぐ追いかけるから!」
みんなにバレないように、監視員に注意してもらおうと思ったのだ。

全員「「「は?一人で?」」」

その行為は、逆にみんなに不審がらせる結果になったのだ。
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