丸重城の人々~後編~
バイト
玄「姫、じゃあ行こうか?」
柚希「うん!よろしくお願いします。オーナー!」
玄「フフ…こちらこそ、よろしくね!」

響子と玄のクラブを半々ずつ行き来することになった。最初は週に二回で、徐々に増やして行く予定だ。
送り迎えは基本的には中也で、その他は玄がする事で話がついた。

そして今日は玄のクラブの、初日バイト日だ。

クラブに着いて中に入る。
尚生「柚希ちゃん、いらっしゃい!」
柚希「え?皆さん」
信貴「今日は初出勤だから、みんなでお出迎え!」
ホスト「お疲れ様です!」

柚希「キラキラしてる…でも、ちょっと……」

ここはホストクラブ。
そしてここにいるのは、ホスト達。
煌びやかだが、柚希にとっては緊張を誘うのだ。
それに完全に尚生達に、慣れたわけではない。
玄の服を掴んだ。
玄「お前等、大勢で出迎えはダメっつったじゃん!
姫、大丈夫?バイトやっぱ辞めるなんて言わないでね?」
柚希「うん、大丈夫だよ。緊張してるだけ…」

そして厨房に案内され、一通り内容を聞いてさっそく取りかかった。

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柚希「うー皆さん、とっても作業しにくいです。
あんまり見ないで下さい」
少し離れて、柚希の作業姿を観察している一行。

尚生「そうだよね。ごめんね」
信貴「でも作業してる姿が可愛くて……!」
ホスト1「ずっと見てられる」
ホスト2「ほんと、オーナーは羨ましいなぁ。シェアとはいえ、一緒に住んでんだから!」

柚希「でも、これ以上は手が震えて……」
尚生「あ、怪我したら大変だ!」
信貴「みんな、もう向こうに行ってよ!」

みんなが散らばり、ホッと一息つく柚希だった。

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