丸重城の人々~後編~
柚希「男の人と二人は、私にとってかなりのハードルなの。丸重城の人や毒蜘蛛は、もう昔からだから慣れてるんだけど………
もし発作みたいになったら、悟志くんに迷惑かけるし」
悟志「俺が守りますから!」
そう言って、柚希を手を握る悟志。

柚希「え……ちょっ…悟志く、ん…離して?」
途端に震えだす、柚希。

柚希は最近、人と比較的震えずに話せるようになってきていた。
しかし突然触られると、震えが止まらない。
まだそこまでの克服には至っていないのだ。

響子「悟志!やめな!」
篤子「アンタ!調子に乗るなよ!」
文乃「早く!翔が気づく前に!」
恵麻「早く、柚姫の手を離せ!」
英里「お願い!やめてあげて?
柚希を傷つけるのは、裏切ることだよ!」

スグル「悟志!やめろ!柚希さんの手を離せ!」
スグルが悟志の手を離そうと掴んだ。
悟志「………ごめん…なさい…」
ゆっくり、柚希の手を離した。

響子「柚希、大丈夫?落ち着いて?」
悟志「すんません!本当に、すんません!」
スグル「俺からも、謝ります!すんませんでした!」
柚希「大丈夫…だよ…」

響子「この事、大達には言わないでいてあげる。
じゃないと、もう二度と会えないから」
篤子「でも今回だけ!」
文乃「約束、できるよね?」
恵麻「お前等、高校生なんだからわかるよな?」
英里「大翔さん達や柚希と仲良くしたいなら、もう二度とやめてね!」

スグル・悟志「はい!すんませんでした!」
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