丸重城の人々~後編~
女達の想い

【ランチ】

響子が総長を務めていたレディース・シスル。
響子、篤子、文乃、恵麻の幹部四人は、女性ながらかなり喧嘩が強い。

特に総長を務めていた響子は、かなり恐れられていた。
柚希も入れてこの五人は、高校からの付き合いで(柚希と響子は中学から)親友同士だった。

そして今日は五人でランチをしていた。

響子「恵麻、食べ過ぎよ」
恵麻「ちょっと、ストレス溜まっちゃって……」
柚希「何かあったの?」
文乃「彼氏に振られたんだって!」
柚希「え……そうなの?」
篤子「今回は結構続いてたじゃん!」
恵麻「デブは嫌って言われました」

柚希達「はぁ?」
柚希「酷い!!」
響子「最低ね!」
文乃「でしょ?」
恵麻「でも……」
篤子「でも?」
恵麻「キレて、やっちゃいました」

柚希「え……」
響子「恵麻、ちょっとは抑えることを覚えなって言ったでしょ?」
恵麻「はい…」

中でも恵麻は、元々から太りやすい体質で身体が大きい。特に柚希と並ぶと年上に見られるくらいだ。
そしてキレやすい。
仲間を傷つけられると、頭より身体が動くのだ。

篤子「とにかく!ご飯はそれで終わりね!
また後からダイエットが辛いわよ!」
恵麻「はい。そうっすね!
柚姫はいいなぁ。食べても太らないから…」
柚希「え?あ…うん……そうだね…」

響子「恵麻」
恵麻「え?あ……す、すんません!
つい……」
柚希「ううん!いいんだよ!よく言われるし、大丈夫。恵麻ちゃんから見たら、羨ましいよね…?」
篤子「でもさ、柚希また痩せた?」
柚希「え?あ…うん…」
文乃「なんか心配事?」

柚希「薬の副作用かな?
でも……止めれなくて……」
柚希は精神安定剤を飲んでいる。
担当医師からは、最近落ち着いてきたから服用を止めることを提案されている。

でも止めると、途端に不安になり身体が震え動悸がするのだ。
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