丸重城の人々~後編~

【旅行・男子四人】

柚希は響子にしがみついたまま、おずおずと信貴の小指に自分の小指を絡めた。
信貴「小さい手だね…可愛い……」
柚希「ごめんなさい、これ以上はもう……」
信貴「そうだね、でもなんか…指切りしてるみたいだね」
柚希「え?」
信貴「少しずつでいいから、仲良くなりたい……」
信貴は更に、小指をキュッと絡めた。

大翔「おい!何やってんだよ………!!」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
大翔「なんで、俺達留守番なんだよ!?」
中也「知らねぇよ!」
玄「響子と姫が二人で話したいって言ってんだから、我慢しなよ!翔はいいじゃん!どうせ後から姫を独り占めできるんだから!」
大翔「は?当たり前だろ!?
柚は“俺の”柚なの!」

将大「てか、お前等うるせー!ガキ!黙れ!」

大翔・中也・玄「おっさんこそ、うるせー!」

大翔「柚…早く帰って来ねぇかなぁ」
中也「柚希~」
玄「俺の姫…」

将大「バカだな…!
まぁ、確かに響子に会いてぇな…」


大翔「てか!いくらなんでも遅くね?」
中也「もしかして、道に迷ってんじゃねぇの!?」
将大「それは大丈夫だろ!響子がいるし」
玄「でも、わかんないよ!いくら響子がいても所詮女の子二人なんだよ!
探しに行こうよ!」

大翔「だな!」
四人は足早に外に出た。
でも、いくら探しても見つからない。
中也「やっぱ迷ってんだよ!?
おっさん!どうすんだよ!」
玄「なんで、二人ともスマホ持ってってないの~?」
将大「今、シン達にも探させてるから!」

中也「あ、おい!兄貴!アレ…!」
大翔「あ?あ……」
四人はやっと柚希と響子を見つけた。
でも………

大翔「おい!何やってんだよ………!!」
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