丸重城の人々~後編~
柚希はスッと立ち上がり、ゆっくり響子の方へ向かう。
大翔「柚!!ダメだ!!」
中也「危ねぇ!!」
玄「今の響子は、ただの凶器その物なんだから!」
大翔が柚希を後ろから抱き寄せ止める。

柚希「だったら、止めてよ!」
泰成「わかったから!」
流風「俺達が止めるから、姫はここにいて?」

大翔が響子に近づき、響子の手を掴んだ。
大翔「響子、もうやめろ!!」
響子「うるさい……柚希が傷つけられた。
絶対許さない」
大翔「その柚が、お前を怖がって怯えてる。
今怖がらせてるのは、響子だぞ。
それにコイツ等、これ以上はダメだ!死ぬぞ!!」

響子「柚希……?」
柚希の名前を聞くと、響子の動きが止まった。
そしてゆっくり、手を下ろしたのだった。
大翔「中也!将大に電話して!
コイツ等どうにかしないと」
中也「了解~」
そしてまた数分後、将大がシンと守口を連れて現れた。
将大「響子」
響子「将大、ごめん……久しぶりにキレちゃった」
将大「大丈夫だ。シン、守口!頼む」
響子が将大の胸に額をくっつけ呟いた。
それを抱き締め、将大がシンと守口に言った。
シン・守口「はい」

守口「柚希ちゃん、手当てするから手を見せて?」
柚希「はい。
………っつ…痛っ…」
守口「ちょっと、我慢してね!」
大翔「おい!もっと優しくしろよ!」
守口「優しくしてるよ」
中也「柚希、痛そうじゃん!」
玄「乱暴なんじゃない?」
泰成「もっと丁重に扱えよ!」
流風「姫が可哀想だよ!」

守口「…ったく、うるせぇな……!
ガキは黙ってろ……」
柚希「え……?」

大翔達「はぁぁ!!?」
< 194 / 228 >

この作品をシェア

pagetop