丸重城の人々~後編~
大翔「お前さぁ、誰に向かってそんな口聞いてんの?」
守口「すみません。でも少し、黙っててもらえる?
手当てしにくい!」
中也「は?柚希痛がってんのに、お前が更に痛がらせるからだろ?」
守口「切り傷なんだから、痛いの当たり前だろ?」
玄「だから!優しくしてあげてって言ってんの!」
守口「できる限り、優しくしてるよ!」
泰成「言っとくけど俺達はお前のこと、まだ信用してねぇんだからな!」
流風「姫が言うから、受け入れてるだけ!」
守口「わかってますよ!
………よし!もう大丈夫だ!」
柚希「ありがとうございます、守口さん!」
守口「いいえ~!」
柚希の頭をポンポンと撫でた守口。
そして優しく微笑んだ。
柚希も自然と笑顔になる。

柚希「守口さん、更に穏やかになりましたね!」
守口「そうかな?
でも、とっても居心地いいよ!
若頭は柚希ちゃんの言うように、穏やかで優しい人だからかな~厳しいけど、とても部下思いの素敵な人だね!」
柚希「そうなんです!将大さんは私のお兄さんみたいな方で、安心するんです!
それに………」
守口「ん?」
柚希「守口さんを見てると、お兄さんが増えた感じかしてなんか安心します!」
守口「そう?じゃあ、お兄ちゃんって呼んでいいよ!」
柚希「フフ…じゃあ“お兄ちゃん”で!」

大翔達「お兄ちゃん!!?」
大翔「バカか!柚」
中也「柚希!そんなに仲良くなんなよ!」
玄「そうだよ!だったら、俺のことも“玄”って呼んで?」
泰成「じゃあ…俺は“泰ちゃん”がいい!」
流風「俺は“流風”って呼んで?」

柚希「え?でも、そんな…」
玄・泰成・流風「呼んで!!」
柚希「わ、わかった!玄に泰ちゃん、流風ね!」

大中兄弟「バカだ…」
三人の勢いにおされ、そう呼ぶことになった柚希だった。
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