丸重城の人々~後編~
柚希「━━━あれ?音弥さん?」


音弥「柚希ちゃん、帰ろう!」

柚希「え?え?」
柚希のバイト日。
迎えに来たのは、なんと音弥だったのだ。

音弥「みんな、出払ってて……
僕しかいなかったんだ。
ごめんね。
僕みたいなのが、君の護衛なんて……」

柚希「あ、いや…」

音弥「でも、もう英里ちゃんを裏切らないし、ましてや英里ちゃんの家族を傷つけるようなことしない!」

柚希「そうじゃなくて!」

音弥「え?」

柚希「英里さんの彼氏さんに、お迎えに来てもらうなんて、申し訳なくて……
すみません!」
ペコペコ頭を下げる。

音弥「そんな……謝らないで?
英里ちゃんの、妹だもん!
むしろ、守るよ!」

柚希「え?」

音弥「英里ちゃんから、色々聞いたよ。
“あの日”怖い思いさせて、ごめんね。
僕も、必死で……」

柚希「え?あ…」

音弥「でも柚希ちゃんのおかげで、英里ちゃんとやり直すことが出来た!
感謝してるんだ!本当に、ありがとう!」

柚希「いえ!」


笑顔でお礼を言う音弥に、柚希も嬉しそうに微笑んだのだった。
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