丸重城の人々~後編~
片恋の男達

【サク編】

三島「柚希ちゃん、お疲れ!」
柚希「あ、三島さん!お疲れ様です!」
サク「お疲れ様」
柚希「サクさんも!」

今日は響子のクラブのバイト日。
仕事が終わり、帰る支度をしていた柚希。
三島とサクが出勤してきた。

サク「柚希ちゃん、今日は僕が送ってもいい?三島には伝えてるから」
柚希「え?でも、もうすぐ響ちゃん来ますよ?」
サク「え?ママ?」
柚希「だって……サクさんは、響ちゃんのこと……」
サク「あ…知ってたの?」
柚希「サクさんを見てたら、わかりますよ(笑)
明らかに響ちゃんを見る目が違うから!」
サク「そっか。それで話を聞いてほしくて……」
柚希「わかりました。
じゃあ、お願いします!」
三島「柚希ちゃん、またね!」

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サク「元々さ、ママのクラブの客だったんだ!
ママに一目惚れして、ボーイになったの」
柚希「へぇー!」
サク「でも…あっという間に、ヤクザに拐われた」
柚希「あ……将大さんですね」
サク「うん。二人の間に何があったか知らない。
でも確実にママは昔傷つけたられたはずなのに、付き合いだした。
ねぇ、柚希ちゃんから見てママは本当に幸せに見える?
ママ、無理してない?
ママは危ない目にあってないかな?」
柚希「幸せですよ。
何があったかは、響ちゃんに聞いてください。
私の口からは言えません。
でも…今は本当に幸せそうで、私は嬉しいです。
サクさんの前でこんなこと…傷つけるだけですが……
それに将大さんは、もう二度と響ちゃんを傷つけるようなことはしません!誓って!」
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