丸重城の人々~後編~
大翔「は?」
中也「なんで、柚希?」

宗一郎「そんなの簡単だ。
この中で一番拐いやすいのは誰?」

玄「そうだね。姫が一番簡単だね!」
将大「響子はあー見えて、まだかなり力衰えてないからな!」
宗一郎「しかも、一番卑怯なやり方でくるかもしれない」
大翔「卑怯なやり方?」
宗一郎「ある意味だけど、暴力つかわれた方が俺達も殺りやすい。
でも心をつかれたりしたら、後が大変だろ?
きっと柚ちゃんのことだ!大翔達の名前を出されたら、自分が死ぬようなことになっても立ち向かうだろうね。そんなやり方でくるかもってことだ」

中也「じゃあ…どうすんの?」

宗一郎「俺が片時も目を離さない。
俺なら、大翔以外に怪しまれずに彼女の傍にいれる」
大翔「はぁー、それしかねぇな」

柚希「大翔~!みんなも、一緒にしよ?
楽しいよ、花火!」
大翔「おう!」
宗一郎「宗ちゃんも、仲間に入れて~!」
柚希「もちろん!」

中也「ほんと、おっかないじじぃだ!」
玄「コロッと態度が変わった」
将大「さすがだな!」

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次の日から、宗一郎は大翔がいない時頑なに柚希から離れなくなった。
柚希「あの、宗ちゃん」
宗一郎「何?」
柚希「どうしたんですか?
最近その…私から離れないから…」
宗一郎「やっぱ、キモい?
キモいよね……ごめんね…柚ちゃんは娘だから、色々話したくて……
嫌かな?話し相手。やっぱ、オジさんは嫌?」
宗一郎が露骨にがっかり肩を落とした。
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