丸重城の人々~後編~
玄「姫、次は俺だよ?
はい、エッグサンド!」
柚希「でも、もうお腹いっぱい…パスタもまだあるし……」
玄「じゃあ…交換しよ?俺がそのパスタ食べるから、姫がサンドイッチね!」
柚希「それなら…」
玄「はい!どうぞ?」
柚希「はい。
………ん、美味しい!このエッグサンド」
玄「でしょ?このパスタも美味しいね!今日は暑いからちょうどいいかも?」
柚希「フフ…そうだね!」
微笑み合う、柚希と玄。

大翔「……ん?
ちょっと待った!玄!そのフォーク…さっきまで柚が使ってたやつだよな!?」
不意に大翔が言った。

玄「ん?そうだよ!いいじゃん!間接キスくらい…!
ガキじゃねぇんだから!」
玄が当たり前のように言い返す。
中也「いいなぁ~玄」
中也の心の声が漏れる。

大翔「よくねぇよ!玄!吐け!今すぐに!」
玄「は?汚ねぇこと言うなよ!ガキ!」
柚希「ちょっと…二人とも、やめて!!」

将大「こらぁ!ガキ!何度も言わせるな!ここから落とすぞ!」
再度、将大の一喝。
将大「柚希ちゃん、俺と席変わろ?コイツ等は柚希ちゃんが絡むとウザイ!」
柚希「あ、はい。ごめんなさい……」
将大「違うよ!柚希ちゃんは何も悪くないよ!」
頭を撫でながら、微笑む将大。

そうして、残りの時間はボックス席に男四人。
柚希と響子は二人で座ったのだ。

大翔「なんなんだ…この居心地の悪さ…!」
と大翔が言うのも無理ない。
それもそのはず、将大が腕を組んで座っている。
監視役の教官みたいだ。

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