世にも歪な恋物語


 私と話せて喜ぶ人なんて生まれて初めて会った。

 この子の言葉がどこまで本気か、わかったものじゃないけど。


「センパイの家に着くまでの時間。オレにくれませんか」

「……いいよ」


 ついオッケーしてしまったのは

 今日が、今日だったから。


「やった」


 (けが)れをしらないって顔してる。

 恵まれて育ってきたような。

 愛されているような。


 ……私とは、正反対。


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