再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
「今日は俺がおごろう。」
「どうしたの?急に。」
「頼みごとがあってな。」
「なに?」
「これだよ、これ。」
一緒に近くのコンビニに向かって歩きながら、稜真が携帯電話の画面を見せる。
「どこ?」
その画面にはおいしそうなパンケーキが載っていた。
「表参道にあるらしいんだ。今度行こう。」
「えー、また?」
「いいだろ?おごるからさ。」
稜真は大のスイーツ好きだ。

彼女がいる期間は彼女を誘って行くものの、ここ数年彼女のいない稜真は一人では行きにくいからと麻衣を誘う。
甘いものが嫌いではない麻衣はいつも条件を出して付き合っていた。
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