再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
「麻衣・・・」
何か言いたげな麻衣。
でも、意識が戻ったばかりの麻衣は、うまく言葉を発することができない。

ただ何度も何度も、理久の名前を呼ぶ。
かすかにささやかれる自分の名前に理久は涙をこらえきれない。

「ここにいるよ。麻衣。ここにいる。もう、離れない」
そう言って麻衣を抱きしめる理久。

「愛してる。麻衣。麻衣。」
何度も何度も麻衣の名前を呼ぶ理久。


少しして医師と看護師が麻衣の病室に入ってきて詳しく検査をするからと、ストレッチャーに乗せて麻衣は検査室に移動をした。

その時も、かすかに動く腕を動かして理久の方に手を伸ばす麻衣。
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