再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
身長差がある麻衣と稜真。それでも同じ歩幅で歩いてくれる稜真。
今日は隣を歩きながらも麻衣の方をかなり気にして歩いてくれている。

稜真が隣を歩く麻衣をちらりと見るたびに、麻衣はぎこちなく微笑み返す。

「あーそういう思いつめた顔してる奴はもう、肉だ!肉!」
稜真は麻衣の手をひいて、会社の近くにある焼肉定食のおいしいお店に連れて行ってくれた。

「肉食え、肉!」
「うーん・・・」
いまいち食欲のない麻衣。
結局麻衣が頼んだのは野菜炒め定職だった。
稜真が麻衣の皿に、自分の頼んだ焼肉定食から焼肉を乗せる。

「俺たちは体力勝負なとこあるんだから、食え。何かあった時は食え。な?」
心配しながらも詳しく話を聞こうとしない稜真。
すでに麻衣が稜真に話をしないつもりであることを、稜真は知っていた。
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