再会は涙色 ～元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語～

稜真も・・・。

「仕事だから。割り切って最後までやり遂げます。」
『・・・・そっか。よかった。』
少しの沈黙の後、振り絞るような声で言う理久。

理久がどんな顔をしているかわかる。

「よろしくお願いします。」
あくまで営業用の言葉と声で理久に挨拶をしてから電話を切った。

「麻衣」
後ろから呼ばれて振り返ると稜真がいる。

「約束のランチ、いくぞ。」
稜真の背中を見つめながら麻衣は本当のことを打ち明けようか一瞬迷った。
でもこれから一緒に仕事をする相手が、まさか麻衣の元カレだと知ったところで稜真が困るだけだと思いとどまる。