再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
「頭、痛いかも。」
「ほかには?」
麻衣の座る椅子の前にしゃがんで麻衣を見つめる稜真。
「んー。」
「食欲は?ちゃんと食べてるか?」
「んー、ちゃんと食べるようにするね」
言われてみればあまり食べていなかったかもしれない。
忙しくて今日も、朝はヨーグルト、昼は・・・食べてない。食事を忘れがちだ。
「眠れてるか?」
「それはもうぐっすりと。眠りすぎるくらいに。」
最近やけに眠い。
やるべきことがあっても、睡魔に負けそうになることもある。
睡魔に負けないようにしているから、もしかしたら頭が痛いのかもしれないと麻衣は分析しながら稜真を見る。

「コンサートまで1週間、その間に体調戻さないとな。ほかの仕事少しセーブするか。」
「大丈夫。気をつけるから。」
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