再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
「だめ。3日後にはリハーサルもあるし。」
実際の会場と同じくらいの体育館を貸し切ってのリハーサル。
そこからは忙しいのは目に見えている。
リハーサルで改善すべきところがでると、本番までに修正作業に入らないとならない。
衣装の微妙な調整や照明に合わせたメイクの調整、そのほかにも限られた時間内に、セットが終わるようにと言うのは理久の動きをリハーサルで見てからしか想定もできない。

「わかった。少し休みながら仕事する。」
「そうしろ。ひとまず、遅くなったけど今から俺なんか買ってくるから、このまま座って待ってろ。腹ごなしだ。」
「ありがと」
稜真は麻衣に座っているようにくぎを刺してから、財布を持って急ぎ足で出かけて行った。


麻衣は稜真の足音が離れたことを確認してから立ち上がり自分のバックから頭痛薬を出す。
頭痛はよくある。
いつものように錠剤を手に出して、スタジオに置いてあった水を手にする。
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