運命なんて信じない
「昨日までおなかを壊していたのに、あまり冷たいものはよくないわよ」
つい止めてしまう。

事情があって1000グラム足らずで生まれた遥は、3歳の今でも同じ年の子より体が小さいし、よく病気もする。
寒くなると熱を出し、熱くなると食べられなくなる。
喘息も持っているし、病院とも縁が切れることがない。

「大丈夫だもん」
プーッと、頬を膨らませた。

「よし、アイス買いに行こう」
優しいパパは、アイスにOKを出した。

もー、甘いんだから。

「この後食事に行くんだから、食べ過ぎないでよ」
賢介さんに念を押す。

「はいはい。分かってます」
「分かってます」
2人の声が重なった。
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