禁忌は解禁される
「ねぇ…ここにピアスケースなかった?」
着替えを済ませた一颯が、テーブルの辺りを見回しながら言った。

「知らない」
「そう…あれ~?」
「なんなの?」
「んー。七夜さんがプレゼントしてくれたの」
「やっぱり……」
「ん?何?」
「ううん。それよりさ……」
颯天が一颯を後ろから抱き締める。

「な、何?」
「愛し合おうよ…一颯」
「今はやだ」
「………」
「何よ?」

「……じゃあ…後からならいいの?」
「え?
そ、そんなわけないでしょ?」
バッと振り返り、言う一颯。

「一颯ってさ…最近、ポロッと可愛いこと言うよね…。
そうゆうの俺、結構煽られてること忘れないでね…!」
「なっ…煽ってなんか……」
「まぁいいや!じゃあ、俺も着替えてくる!
お言葉に甘えて、後から愛し合おうね!」



「……っつ…んん……」
「声……我慢しなくて、大丈夫だよ…?」
「や…ん……」
「俺の部屋……防音仕様だから…」
夕食後颯天の部屋に連れて行かれ、ベッドで翻弄され続けている一颯。

「一颯の可愛い声……聞かせてよ?」
「━━━━━!!
んぁぁ…あ…あぁ……」
「やっぱ……可愛い…全部…一颯の、全部が可愛い……可愛くて、スゲー好き…」
「もう……だめぇ…お願…」
「一颯……手ぇ…繋ご……繋いで…一緒に…」

お互い、果てた━━━━━

「なんか嬉しい…」
颯天に腕枕をされ、横になってる一颯。
頬を撫でながら、嬉しそうに颯天が呟いた。
「何?」
「一颯、少しずつ…抵抗しなくなって、受け入れてくれてるから」
「颯天の力が強すぎて、抵抗できないの……
たぶん…」
「たぶん?」
「ううん、なんもない…」

抵抗できないのか、しないのか。
もう……一颯はわからなくなってきていた。
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