オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~

祐早斗side~

俺は一人取り残されてしまった。美苑ともう少しゆっくりとコーヒーを飲みながら、話がしたかったのに。

俺は一人で寂しく残りのコーヒーを飲み干した。

しかし、急いで帰ってしまったが、美苑の予定とは何だ?

俺はソファから腰を上げて、秘書室の栗原を訊ねた。

「何ですか?社長」

「お前…俺に隠れて、美苑と今日デートするのか?栗原」

「まさか…社長に黙って…そんなコトしませんよ…俺は貴方の従順な秘書です」
従順な秘書ね…
そんなのはどうでもいい。

「…美苑のヤツ…予定があると言って、急いで帰ったんだけど…」

「あ…今夜は経理課全員で彼女の歓送迎会するそうですよ…」

「歓送迎会?あ…そっか…」


俺はホッと胸を撫で下ろす。

「あ…若林部長に歓送迎会の場所、訊き出してくれ」

「社長、行かれるんですか?」

「俺は行かない。お前が行くんだ。栗原」

「偵察に行けと言いたいんですか?」

「そうだ・・・美苑は次期『霞が関の華』だ…誰かが狙ってるかもしれない」

「・・・お断りします」
栗原はきっぱりと言い切って、ノートパソコンのキーを叩く。
「歓送迎会には出なくていいから…栗原」

俺は栗原に頼み込んだ。

「時間外手当て出すから…頼む…」

「それなら…承知しました…三十パーセント割増しでお願いします」

「・・・分かった」

栗原は金を与えないと動かない男だった…


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