オフィスの華(令和版）～若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係～

「お母さんは美苑には普通の人生を歩んで欲しいのよ」

「お母さん…！？」

「お母さんみたいにはなって欲しくないの。一度会ってみて…きっと、いい人だから…お母さんは色んな男性を見て来た。彼はちゃんと自分の将来を見据えてるし…彼もまた…勝次さんと同じで、ずっと施設で育って来た苦労人。人の痛みを理解できる人だと思う。貴方の心の痛みだって…」

「私もそう思う」


二人して、その洋貴君をゴリ押しして来る。

職業柄、大勢の男性の見て来た母だ。
母の千里眼は本物かもしれない。

「じゃ真剣に考えてみます」

「そう来なくちゃ…美苑。頑張れ、美苑」

「じゃ私は洋貴君にメールしとくよ…」

「お願いね…勝次さん」

多分、染中社長はその洋貴君のメールをしたと思うけど。
社長は沖縄で事故死。

―――結局、私はその洋貴君に会えなかった。

そう言えば…栗原さんの名前も洋貴さんだったわね…


京大医学部卒だし。まさかね…