オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
彼は給湯室に消えていった。
「何だよ!?アイツ…美苑・・気にするなよ…」

「でも・・・」

「俺だってお前と同じで社長に就いたばかり。同じスタートラインだ…少しずつ努力していけばいい」

「社長…!?」

彼の優しい言葉に鼻の奥がツンとなり、瞳からは涙が溢れた。

「おいおい!?泣くなよ…」

祐早斗さんは私の涙に激しく動揺した。

「だって…私は栗原さんのように器用にこなす自信がないから…」

「…美苑って自信なさすぎ…もっと自分に自信持てよ…」

「祐早斗さん・・・」

「…」

彼の大きな手が私の頭を撫でる。

―――あの時と同じ。

ずぶ濡れだった私に優しく声を掛けてくれた。

―――母には葬儀には行くなと言われたけど。

私は行ってしまった・・・

でも・・・染中家の一族からは入るなと釘を刺され、葬儀場には入れなかった。

皆、染中社長が亡くなったのは母と私のせいだと思っていた。

< 152 / 245 >

この作品をシェア

pagetop