オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
四年半前ーーー・・・


『ダイヤモンドホテル京都』

「洋貴君、君のおかげで助かったよ…」
「いえ、どういたしまして…」

「せっかくの休みなのに悪いね…」
「知可子さんと美苑さん喜んでくれると嬉しいですね」

非番で休みだった俺は京都に出張で来ていた染中さんと落ち合った。
彼は俺が育った児童養護施設の出身で、大手製薬会社『ソーマ』の子会社『染中薬品』取締役を務めていた。
義を重んじる彼は俺達の父親代わりとして、何かと金銭的な援助を行っていた。
俺も彼の金銭的な援助を受け、関西の難関大学・京都大学医学部に入学して、卒業し、今は附属病院の研修医として、勤務していた。
俺の名前は栗原洋貴(クリハラヒロキ)

俺の親は不明。
生後生まれたばかりの俺は新宿駅のコインロッカーに押し込められていた。
俺を救ってくれたのは運よく、若手の産科医であと少し発見が遅れていたら、衰弱死していたようだ。




< 229 / 245 >

この作品をシェア

pagetop