オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
秘書の彼女
私のデスクは営業部から渡された精算書で埋もれていた。
週末にかけては週単位で精算される経費精算に追われる。

元々昔から計算するのがスキで、経理の仕事は私の天職だった。なのに、私は栗原さんのせいで、秘書に就く羽目に。

私のデスクの内線電話が響く。この番号は社長室!?

「お待たせしました…経理課の染中です」

――――社長秘書の栗原です。染中さん

声の主は祐早斗様ではなく栗原さん。

低く響く声。
抑揚のない声だけど、声質はいい。

「何ですか?」

――――今からそっちに行くから…第二会議室の前で待っててくれ

「えっ?」

――――君を社長に紹介したい…


「ええ~っ!?」

私は思わず頓狂な声を上げる。

「ちょっと待って下さい…ココロの準備が…」

――――別にそのままでいいから…出て来て…命令だよ!!


そう言い捨て、内線は切れる。

「誰から??」
隣のデスクで電卓を叩いていた主任が問いかけて来た。

「社長秘書の栗原さんです…」

「染中のダーリンか…」

「ダ、ダーリンって…私達はそんな仲では…」

「じゃこの首の痣は何?」

主任はくぐもった声で私を冷やかす。
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