オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
「あ…すいません…私…席を外します」

「分かった…ダーリンと密会か…」

「・・・行って来ます…」

私は仕事を中断して経理課フロアを出て同じ階の奥にある第二会議室に急いだ。

まだ、二人の姿はなかった。
私はドアの前で佇んでいると二人の革靴の足音が聞こえて来る。

「待った?染中さん」

「いえ…」

「栗原…一つ訊いていいか?彼女が俺の秘書になるの?」

祐早斗様の態度は昨日とは全く違って素っ気なかった。この地味な姿が最大の原因か…

「はい、紹介します。経理課の染中美苑さんです。俺が人選した貴方の社長秘書です」

「・・・染中美苑…何処かで訊いたコトのある名前だな…」
私が憶えているように彼も私のコトを憶えていた。

祐早斗様は首を傾げながら、私の頭から爪先までジロジロと見つめた。
彼の視線を一身に受け、全身に熱が帯びていく。

「秘書課の女性に比べて、地味じゃないか?まずはこの牛乳瓶の底のような眼鏡を外してくれないか?顔が良く分からない…」

「それは…」

眼鏡を外せば、私が華だったバレる。
早くも私はピンチに陥った。






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