オフィスの華(令和版）～若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係～

「でも・・・秘書同士イチャイチャされるのはちょっとな…」

祐早斗様は私達を見つめて考え込む。

「俺はオンオフの切り替えは出来ますので、ご安心を。なぁー…染中さん」

「あ、はい…大丈夫です」

「まぁ、お前と女性のタイプが被らなくて…良かったよ。栗原」

「そうですね…社長の好みタイプは『泡沫』の華さんですよね…」

「ん、あ…」

祐早斗様は栗原さんの言葉で思い出したように上着の隠しポケットからスマートフォンを取り出す。
そして、切なそうに見つめた。

「やっぱり…華から連絡は来ないな…今夜はお通夜だし…『泡沫』には行けない」

「分かりました…この俺が華さんに連絡するように促します」

「そうか？栗原…頼むよ！！」

祐早斗様は栗原さんに申し出を嬉しそうに訊き、握手を交わした。

「お任せ下さい…俺は貴方の秘書ですから…」

遠回しに、連絡しない私が責められている気がした。