オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
祐早斗様の手が眼鏡に伸びると、私と彼の間に栗原さんが割って入った。

「ダメですよ…彼女の素顔は俺だけのモノです。社長」
「はぁ?」

祐早斗様は目を点にして栗原さんを見つめる。

「栗原お前…彼女と交際してるのか?」
栗原さんは眼鏡のブリッジで指でクイッと押し上げて一呼吸をして返した。
「えぇ、まぁ―・・・この機会に二人で仕事がしたくて…染中さんを秘書に推薦しました…」

「…この会社は社内恋愛禁止だぞ!!」

「俺はこの会社の社員ではありません」

「そう言えば、親父が言ってな…親父が雇った秘書だって…」
「そうです。だから…俺にはその社内恋愛禁止は通用しません…」

「まぁ、俺も親父の代でそんなナンセンスは社則は廃止する。社内の活性化を図る為には社内恋愛は必要だ。
俺にバレたからと言って・・・別れるコトはないぞ…栗原に染中さん」

栗原さんが私を庇ったばかりに祐早斗様に大きな誤解をされてしまった。

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