オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
彼はダイニングテーブルに二人分の朝食を支度していた。

ワンフロアの広々とした空間にキッチン、ダイニング、リビングスペースがあった。
リビングスペースのソファにはタオルケットと枕が置かれていた。

「もしかして…ソファで寝ました?」

「華さんを寝かせたからね…一緒に寝るワケにはいかないだろ?」

「ほら、座って」

「はい…」

私は恐る恐る椅子に腰を下ろした。
濱部社長はとても優しくて親切。
私の為に甲斐甲斐しく動いた。

厚切りのトーストにレタスとハム、キュウリのサラダ、コ―ンスープにコーヒー、デザートは苺のヨーグルト添え。

「美味しいです。濱部社長」

「喜んでもらえると嬉しいよ。華さん」

「いえ…一人で住んでいるんですか?」

「まぁな…」

濱部社長はにっこりと笑い、コーヒーを啜る。
瞳の縁取る睫毛も長くて艶めいていた。

「濱部社長って…女形似合いそうですね…」

「・・・余りこの顔スキじゃないんだけど…」

「そうなんですか??」

「…海外赴任してた頃…この顔で…良く男に言い寄られてね…困ったんだ…」

「ゲイにモテる顔立ちなんですね…」

「多分…俺はノンケなんだけどな…」
濱部社長は顔を顰めた。

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