オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
染中社長はソーマの子会社『染中薬品』の経営者だった人。
『泡沫』に出入りし、母と恋に落ちた。
私がまだ高校を卒業して短大に入学したての時だった。

母は『泡沫』を畳み、染中社長と結婚した。
あんなに幸せそうな母の顔を見たのは生まれて初めてで、心から二人を祝福。

染中社長はずっと独身で広い大きな邸宅に暮らしていた。

二人の結婚後、三人での暮らしが始まる。

今まで、男手のなかった環境で育った私。

有澤先輩のせいで、男性に対して不信感を抱いていたが。染中社長の優しさのおかげで、その不信感も少しだけ和らいだ。

何よりも母の笑顔が増え、娘としては嬉しかった。

でも、三人の暮らしは長く続かなかった。

染中社長は出張先の沖縄で事故死。
母は銀座に舞い戻り、再び『泡沫』のママとして働き出した。
時折、染中社長の写真を見つめ、人知れず涙に暮れる母。

そんな母の姿を知る私。

濱部社長と相馬会長が言い寄っても、母の心の中に染中社長が棲み続ける限り、きっと二人のキモチには応えないと思う。


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